風景とつながる家
細い急な坂道を登った丘の上に建つ住宅のリノベーション。
築45年を経過し、かなり古く傷んだ状態でしたが、2階の窓からは、付近の山々が一望できる雄大な景色がありました。
この眺望を活かしたリノベーションにしたいと考えました。
既存の間取りは一階にふすまで区切られた部屋が続く、閉塞的な空間でした。
水回りの位置は大きく変えず、部屋と部屋の間仕切り壁を取り払い、眺めの良い北東の方角に向けて広がるワンルームのLDKとしました。
大きな土間エントランスに階段を設け、空の見える明るいヴォイドの中を通り2階へと続きます。
どこからでも豊かな景色が一望でき、花火を眺めることもできます。
また、既存のバルコニーは残し、その隣に小さな吹き抜けを設けて、ここから南側の光を取り込み、1階の採光を確保しています。
1番の特徴は既存の軒をそのまま残し、軒天の仕上げを板張りとし、そのまま室内の天井も板張りで連続させています。
この軒のデザインが室内からの風景へと向かっていく広がりをより強調させています。
外から見上げたときの外観は軒の板張りと大きな窓がのびやかな印象を与え、この高台に建つ家の魅力を最大限に引き出しています。